子供のころに、イタリアの童話であるピノキオの話を聞いたことがある人は多いと思います。
ご存じだとは思いますが、ピノキオのあらすじは以下にまとめました。
子どもの好きな時計職人のゼペット爺さんは、ある日、自分の子どもの代わりに木のあやつり人形をつくってピノキオと名付けました。つくった日の夜になると、流れ星が現れ、それに対して、ゼペット爺さんはピノキオが本当の自分の子供になるようにと願いました。
その時突然、星の女神が現れ、ピノキオに声と自由を与えました。そして、今後いい行いをすれば本当の子供になるといいました。
努力するのが嫌いなピノキオは周りの人に、自分のことを良いと思ってもらうためにウソをつくようになり、そのたびに鼻が伸びてしまいました。
そのことを反省して、ウソをやめることにしたら、星の女神から認められ、本当の子供になることができました。
あなたの周りには、このピノキオのように平気でウソをつく人はいないでしょうか。
私自身の経験から、そのようなウソをついて平気な人の特徴とそれにうまく対処していく方法について、述べてみたいと思います。
バックグランド情報として、私は外資系企業で5年間以上にわたり、200名以上の採用面接に携わり、教育にもかかわった経験があります。
ウソを重ねる人の特徴
平気でウソを続ける人には以下のような特徴があります。
-自分に自信がない
-計画を立てたり、努力して何かを達成することが苦手
-自分以外の人のことをまったく気にしない
-人に嫌われたくない
自分のことをよく思ってもらうために、周りに働きかけて、有能な自分を認めてもらうことへ常に気を使っています。
自分のことをそのまま認めることができず、自分の中で理想化したイメージを周りにももってもらうための発言を繰り返します。
まさにピノキオのように良い子であるという他人からの評価を気にして日常を送っていますが、自分の持っている実力を伸ばそうとか、他人への気遣いとかはまったくありません。
まっとうな人間になるには、自分の本当の姿を認めることからしか始めることができません。ピノキオのようにウソをついていること自体を自分で認識しない場合は、ウソが自分の現実となります。
自分のイメージと客観的事実の違い
周りから見るとその人の能力については誰も評価していないのですが、当の本人の中では理想の自分と現実の自分が混然一体となっていて、区別ができない状態です。
つまり、理想と現実の間の境界があいまいで、自分がウソをいっているということが現実に起こり、ウソ自体が真実化していきます。
そこでは罪悪感が発生する余地はありません。
宮部みゆきさんの小説に‘名もなき毒’という本がありますが、その中のキャラクターで自分のなかで起こる都合の悪いことはすべて、自分以外の周りのせいだと思い込み、その嘘が自分の中の現実になっていくことが鮮明に描かれています。
目の前の現実をそのまま認めることができず、他人からみていつも自分が責められるが、自分は常に正しいことをしていると思い込んでいるため、自分を少しでも良くしていくということに目が向かないことになります。
仕事の結果や起こった出来事にフォーカス
仕事の中でそのような人がいる場合、まずは本当にその人にかかわっていくことが必要かどうかを判断し、不要であれば、関係を避けるというのが最善です。
基本的に外部の人間が他人を変えることはできないので、本人に変わる意思がなければ、できることは何もありません。コントロールできないことは、自分の責任ではないと認識しましょう。
もし、仕事上避けることができない場合であれば、その当人の発言はまったく信用せずに、仕事の結果、実績、出来事など客観的なことについて、どのようなステータスになっているかの確認だけで済ませるのが賢明です。
自分のことを冷静に見るということができないと、できること、できないことが本人にも判断できていないため、チームでの仕事を進めていくことはかなり難しいです。
まとめ
ウソを重ねる人は習慣的に行動しているので、一連の行動からその特徴である、責任回避、強い承認欲求などがあるかどうかを観察し、判別することができます。
そのような人の中では、自分の理想と現実が一体となっていて識別できないため、ウソ自体が実際に起こった真実として認識されます。
仕事のつながりで、本当に関わる必要があるかを慎重に判断し、可能であれば、かかわらないというのが最善の選択です。
もし、付き合うことが仕事上で避けられない場合、発言と行動を明確に区別して、行動だけにフォーカスして確認していくのが賢いやり方です。どう思うかという質問をしてしまうと、話が長くなり、泥沼にはまりますので、注意が必要です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
