昔、小学校に入る前の3月の時期には友達100人できるかな、というCMソングが頻繁に流れていました。
そういった社会では、誰とでも仲良くできて、友達の数が多いと、理想的な学校生活が送れるということがなんとなく常識として共有されていましたが、実際に100人の友達をつくった事例は私の目では見たことがありません。
友達について苦い思い出があります。
幼稚園の時は気にしませんでしたが、小学校に入った時、左利きであることが普通ではないことに初めて気づきました。
文字を書いたり、箸を持ったりするのに40人くらいのクラスで左利きは私だけでした。
みんなと同じことができない自分に大きな劣等感をいだき、自分から話しかけて友達をつくることはできませんでした。
左利きであることはずっと気になっていて、そのまま中学校に入りました。
そして、中学校で英語は始まるようになると、より一層左利きであることが意識されました。
というのは、中学校で英語のクラスが始まり、ノートをとるようになると、左から右に文字を追加していくので、左利きの場合、自分の手の接する面が書いた文字の後をたどっていくこととなり、ノートと接触している手の部分が真っ黒になって、とてもみじめな思いをしました。
実際、このことを気にかけた私は、家に帰って、文字を右手で書けるように練習を毎日続けました。そして、6カ月で下手な文字を少し書けるようになり、中学2年になるころには、左手と同じくらいの能力で文字が書けるようになりました。
さて、少し話が長くなりましたが、友達をつくっていくことに苦労した私の経験で、一緒に何かをやっていく仲間という軽い関係の方が自分の成長には大きな助けになるということを述べてみたいと思います。
友達関係のつながり
そもそも友達というのは、たまたま同じ空間、同じ時間を共有している中で少しづつ相手のことを知っていって、気が合うかもしれないから、関係を深めていくという感じで、偶然の中から、発展していきます。
遠くにいる憧れの人がいたとしても、同じ空間、同じ時間を共有しなければ、自分だけの一方的な都合で友達といえる関係を築くことはできません。
また、それぞれの好みが違っていても、それをお互いに認め合い、尊重できる信頼関係があります。
とはいえ、プライベートなことにも立ち入って、深く付き合うため、一方の都合で関係で関係を解消しようとすると揉めてしまうことがあります。
つまり、関係が深いがために、キズナとして拘束する面があり、関係を維持すること自体が目的となってしまう場合があります。
仲間とのつながり
仲間の場合は、サッカー好きの会とか映画好きの集まりなど、そもそもそこに明確な目的があり、人が集まってきています。
それぞれ個別の社会属性や地位が異なっていても、コミュニティ’仲間が集まる理由’は明確に定義されています。
そういったコミュニティでは、同じ方向を向いて、実際に行動を起こしていくこと自体が目的で、その中で足りない情報を補ったり、自分の持っているものを提供したり、全体の活動に貢献すること自体が活動の中心となります。
そこでは義理で何かをするということはなく、プライベートに深くかかわることもせず、主体的に行動してしていきます。
全体で共有している価値観に合わなくなったと感じた場合は、抜けていくことに誰も口をはさみません。
自分の持っている価値観とコミュニティの価値観が一致している場合、仲間との活動は自分の成長に有益で楽しみな時間となります。
実際は、そのような仲間から友達をつくっていくことも可能です。
価値観の共有と主体的な行動
楽しく時間を過ごせる友達のと関係は貴重ですが、関係を維持することが目的となる場合、義務感が出てくることがあります。特定の友達との間で価値観を共有することは長期的には難しい可能性があります。
というのは、個別の家庭事情、会社の状況などさまざまな外部要因でその友達自身の状況が5年、10年で変わらないということの方が珍しいからです。当事者両方がいい信頼関係で維持していければ、理想ですが、現実的にはできない人がほとんどです。
それに対して、自分の目的と合致するコミュニティであれば、共有する価値観を前提につながっているため、主体的に行動できます。そして、同じように並走している仲間でお互い高めあい、自分ができることであれば、仲間を助けること自体が喜びとなります。
自分の将来の目的を意識して、行動することで、その目的に近づいていることが実感できて、その途中のプロセス自体を仲間と一緒に楽しめるというのは、理想的な関係といえます。
まとめ
友達との関係は、偶然から発展していき、双方の立場が異なっていることが尊重されています。
長期的に友達の関係を維持していくのは、外部要因が大きく変わっていくこともあり、難しい面があります。
自分の価値観とあっているコミュニティでは、共有される価値観している仲間が集まっています。
そういったコミュニティでは、自分の成長を実感することができて、かつ、その途中プロセスを楽しめる仲間との交流は理想的な関係といえます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
